事業内容と研究開発Business content
生体触媒(微生物や酵素)を活用した医薬原薬・中間体の合成技術開発
技術概要
当社では生体触媒(微生物や酵素)を活用したバイオ技術を得意としており、コスト競争力のあるプロセスを確立してきました。
Route design
Enzyme screening
Enzyme engineering
Process optimization
① Route design
有機合成反応と酵素反応を組み合わせた多数の合成ルートを考案するノウハウを持っており、その中から目的物に対する最適なルートを提案することが可能です。
② Enzyme screening
多様な酵素ライブラリーを活用して、所望の反応を触媒する酵素をスクリーニングすることが可能です。
③ Enzyme engineering
目的の基質・反応に合わせて酵素活性・選択性の改良が可能です。
④ Process optimization
基質や酵素/生体触媒の性質に合わせた最適なプロセス設計の構築・スケールアップが可能です。プロセス設計の段階で得られた課題はEnzyme engineeringにフィードバックし、反応条件下での酵素安定性や更なる活性向上の改良を行い、より生産効率・コストパフォーマンスの高いプロセスへの最適化が可能です。
技術適用例
① 酵素探索・改良技術
医薬中間体の一つである(1R,2S)-Ethyl 1-amino-2- vinylcyclopropanecarboxylate hemisulfate (VCPA)の製造ルート確立において、ラセミ体の基質から所望のモノエステル体のみを取得可能なエステラーゼを見い出しました。
Basic concept
ここで得られたエステラーゼに対して、基質と酵素活性中心の分子モデルを作成し、活性中心付近の4カ所に対してアミノ酸置換された酵素のスクリーニングを実施しました。
その結果、4カ所の変異導入により、加水分解反応の光学選択性を高めるだけでなく、β位の構造の差異も認識し、4種の異性体のうち、所望の1種を取得可能な改良型酵素を開発しました。
(WO2012/029819)
② バイオ技術による反応・化合物例
当社のバイオ技術と有機合成のハイブリッドプロセスにより、光学活性アルコール、光学活性アミン、非天然型アミノ酸等の化合物を製造することが可能です。
③ 水酸化アミノ酸合成技術
当社の保有する水酸化酵素ライブラリーを用いることにより、環状イミノ酸、塩基性アミノ酸、脂肪族アミノ酸といったアミノ酸の炭素鎖に対して直接、位置・立体特異的な水酸基の導入が可能です。
(WO2016/076159)
バイオラボ設備
反応・技術
バイオラボは、生体触媒を用いた反応を検討する設備を取り揃えており、スケールアップに伴う課題を抽出し、対策を立案することで、堅牢な工業生産の実現をサポートしております。遺伝子組換え実験(P1、LS1)が可能です。
保有設備
培養設備
ジャーファーメンター(30L、3L、1L)、振盪培養機、恒温インキュベーター、安全キャビネット、オートクレーブ滅菌器
精製装置
UF/MF装置(15mL~30Lスケール)、超音波破砕機、高圧ホモジナイザー、スプレードライ、凍結乾燥機